みなさんこんにちは、彰馬です。
ロードバイクを始めた頃ってヒルクライムレースに出場してもタイムを気にせずに走ることが多いですよね。
ですが、回数を重ねるうちに「もっと速く坂を登るためにはどうしたらいいんだろう?」なんてことを思ったりはしませんか。
今回の記事では、初心者の方が誰でも強くなるためのトレーニング方法や走る際のコツを書いていきたいと思います。
まずはFTPを測定しよう
もし、パワーメーターを所持している方であれば、一度FTPを測定することで、現在の自分のパワーを知ることをお勧めします。
方法の一つとして、20分間の全力走というのがあります。
これは20分間全力で走ったときに出るパワーに0.95を掛けた値がftpとなります。
1.20分アップ
2.20秒間ftpの90%くらいで走る
3.20秒間ftpの110%くらいで走る
4.20秒間ftpの130%くらいで走る
(2 3 4を3回繰り返す)
5.5分間の休憩 ftpの60%くらい
6.5分間のやや全力走 ftpの110%で走る
(ftpを一度も測定したことが無い方は、5分の全力走の85%くらいで走る感覚でやってみてください)
7.10分間の休憩 ftpの60%くらい
8.20分の全力走
9.ダウン
一時間全力で走る方法でもftpは測定できますので、自分に合ったやり方でやってみてください。
安くて性能が良いオススメのパワー・メーター
基礎的な用語を知ろう
FTP(機能的作業閾値パワー)・・・自分が一時間ぎりぎりで出せるパワーのこと
TSS(トレーニング・ストレス・スコア)・・・トレーニングによる負担をパワーを基準に計測したもも。一時間FTP強度で走ると100と表示される。
CTL・・・42日間のTSSの平均値
TSB(トレーニング・ストレス・バランス)・・・どのくらい元気な状態化を示す指数
pwr(パワーウェイトレシオ)・・・1㎏あたりに出せるワット数
例・・・体重60㎏の人のftpが300wだとすると、この人のftp時のpwrは5となる。
オススメのトレーニング管理アプリ
トレーニングピークス・・・有料のアプリですが、画面が見やすくトレーニングの管理が非常に楽です。
ゴールデンチーター・・・無料のアプリで、手軽に誰でも手に入れることが可能ですが、自分で見やすくカスタマイズをしないといけなく、少し手間がかかります。
いきなり高強度トレーニングはダメ!
トレーニングを始める上でまず初めに初心者の方が行わなければいけないことは、ベースとなる体を作ることです。
何も知らない初心者の方は「とりあえず、インターバル走とかやるか」などと考える人も少なからずいると思います。
確かにインターバル走はVO2MAXやFTPの向上が見られるので効果的なのですが、その分、回数をこなそうとすると身体へのダメージも大きく疲労がたまりやすいので、風邪をひいたり、体調の悪化の原因になりかねません。
そこで、重要となるのが有酸素能力の向上です。
向上の方法として、有酸素走がオススメです。
有酸素走のやり方
パワーメーターを所持している場合・・・ftpパワーの56~75%のパワーで1時間から5時間
パワーメーターを所持していない場合・・・最大心拍数の69~83%の数値で1時間から5時間
有酸素走の効果
主な効果として、毛細血管の増加、乳酸閾値の増加、筋肉のミトコンドリアの増加があり、長時間のトレーニングや高強度のトレーニングに耐えるための身体を作ることができます。
トレーニングを始めたばかりの方であれば、有酸素走を一日1~2時間ほどを週に3日~4日行うだけでもftpの向上がみられます。
僕がロードバイクを始めたばかりの頃は有酸素走ばかり行っていましたが、ftp時のpwrを3.5くらいまで上げることができました。
有酸素走をメインで行う期間
ベースとなる身体を作ると言ってもどの位の期間行えばよいのかわからない人もいるでしょう。
もともと、陸上競技の長距離走や水泳などに取り組んできた方は何も行ってこなかった初心者の方よりも有酸素能力が高い可能性があるので、一概には言えませんが、まずは2か月を目安に取り組んでみると良いかもしれません。
有酸素走だけダメ
これは、僕の経験談なのですが、ロードバイクを初めて2年半くらいはほぼ有酸素走だけをトレーニングとして取り組んでいたのですが、最初の内は伸びたのですがftp時のpwrが3.5付近で一気に伸びがなくなってしまいました。
ですので、初心者の方は有酸素走だけ行うというのは避けてください。
ベースとなる身体を作った後のオススメのトレーニング方法はもう少し先です。
コツコツ根気よく行う
徐々にCTLを上げることが肝心
ベースとなる身体作りを終えた次に重要となるのがCTLの数値です。
トレーニングピークスなどのアプリを導入しているのであれば、この数値を気にしてみてください。
CTLを確認すれば現在の自分のトレーニング量を把握することができるので、長期的にトレーニングを行う際には重要となってきます。
経験として、CTLの数値とFTPの数値は比例していると考えられます。
僕の場合だと、
CTL50弱の時で、FTP時のpwrが4倍
CTL60前後で、FTP時のpwrが4.5倍
となっています。
余談ですが、富士ヒルクライムや乗鞍ヒルクライムレースで優勝や入賞をするような人たちは、CTLが100以上あるそうで、FTP時のpwrが5.6倍くらいだそうです。
このCTL100というのは、初心者の方にいきなりは無理なので、まずはpwrを4倍まで上げるようにして、CTLが半分の50にいくように目指しましょう。
しかし、いきなりトレーニング量を増やして急激にCTLを上げるのは厳禁です。
理由としてはTSBというものが大きく関係してきます。
TSBに注意
この、TSBという数値は自分のその日の身体の疲労状態を示す数値です。
激しいトレーニングを行うとTSBが下降し、逆にトレーニングを行わない日や軽めのトレーニングが続くとTSBが上昇します。
TSBは0が基準となり、疲れているとマイナスの方へ元気な状態であればプラスの方に数値が置いてあります。
トレーニングを行う際に気を付けなければいことがあり、それは、TSBがマイナスの数値を記録し続けていたらオーバーワーク気味ということです。
具体的には2週間以上連続してTSBがマイナスを記録し続けていたら、一度4日ほどの休息を取り入れてTSBを回復させましょう。
TSBがマイナスの状態を記録し続けると、身体への疲労がたまりっぱなしなので、風邪を引く原因にもなります。
注意してください。
最重要:FTP付近のパワーでCTLを稼ぐ
FTPを向上させる際に最も重要なことは、FTP付近のパワーでトレーニングを行うことです。
もちろん、LSDや高強度のインターバル走も様々な効果があり、取り組んだ方がいいのですが、ヒルクライムレースではFTPがもろに反映するので、最も効率的にFTPを向上させるためにはFTP付近のパワーでCTLを稼ぐのが良いのです。
では、どのようなトレーニングが良いのかというと、究極的には、1時間のFTP走を行うことです。
しかし、1時間のFTP走は心身への負荷が大きく、個人的にはあまりオススメすることができません。
そこで、オススメとするのが次の二つのトレーニング方法です。
オススメのトレーニング方法
ここで紹介するトレーニング方法は、SST走と10分のLTインターバル走です。
この二つの最大の利点は短時間のトレーニングでFTPを向上させられることです。
SST走について
まず、SST走についてです。
SST走はFTPの90%前後で走るトレーニング方法のことで、負荷がFTPに近いためFTP走とほぼ同じ効果が得られると言われています。
また、FTP走とは違い脚への乳酸のたまりが、FTP走ほどつらくなく、数がこなしやすくなっています。
そのため、トレーニングの効果が存分に得られるのに対し、身体への負荷がFTP走よりも少ないので、数がこなしやすく、より多くのTSSを稼ぐことができるトレーニング方法です。
10分のLTインターバル走について
10分のLTインターバル走は「最速ヒルクライマー5人が教えるヒルクライムトレーニング」という本で星野貴也さんが取り組んでいたトレーニング方法です。
LTという単語を聞きなれない方もいるかもしれませんが、FTPパワーと捉えていれば問題ないと思います。
この10分のLT インターバル走ですが、星野さんのやり方では、10分間LT付近のパワーで走り、5分間休憩し、それを2本~3本繰り返すというものでした。
実際に星野さんはこのトレーニング方法で富士ヒルクライムで、2位入賞をしているので、効果は折り紙付きです。
さらに、10分という極めて短い時間でできるので、時間に忙しくても行いやすく、回数もこなしやすいのでかなり、オススメできます。
まとめ
今回は初心者の方向けのヒルクライムのトレーニング方法を書くのにあたり、「最速ヒルクライマー5人が教えるヒルクライムトレーニング」という本を参考にしましたが、レースで優勝するようなトップクラスのヒルクライマー全員に共通していることがあり、それは、全員FTP付近の強度でCTLを稼いでいたのと、100km以上の走り込みを毎週行っていることでした。
今回の記事を書くにあたり、やはり、彼らのようなレベルに至るには、かなりのトレーニング量が必要ということを改めて実感させてもらいました。
今回の記事を通して少しでも読者の皆様のトレーニングに役立つ情報が伝わっていると嬉しいです。
最後に、参考までに僕の今の1週間のトレーニングメニューを書いておきます。
僕の一週間のトレーニングメニュー
https://happvector.com/favero-assioma-power-meter/
https://happvector.com/power-profile-table/
https://happvector.com/pawatore-1/
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